高校に入ると友達関係も変わりました。新しい環境になることで、病気や見た目について何か言われるかもしれないという覚悟はしていました。でも、中学校から一緒のメンバーが多くいたということもあり、安心して学校生活を送ることができました。

皮膚の見た目は成長すると共に改善してきましたが、薬を飲んでも痒みがなくなるわけではありません。

そして、高校生活最後の文化祭。

私たちのクラスは、食品販売をすることになりました。料理を作るのではなく、購入した物をお皿に移して提供するというものです。

でも、その時ふと思いました。
「手袋をしていても私が食べ物を触っているのを見たら、嫌だと思う人もいるんじゃないか」
私は周りの人とは見た目が少し違います。何も知らない人からすれば、私が食品を扱っている姿を見て、不安になったり、買いたくないと感じたりする人もいるかもしれないと考えました。

先生に止められたわけでも、友達に嫌がられたわけでもありません。自分は食品を扱わない方がいいと判断して、接客を担当しました。

でも本当は、やってみたかった。

成長して皮膚が改善しても、やりたいことを諦める悔しさは変わりませんでした。

中学生の頃は、人から言われて病気に道を変えられました。

高校生になると、今度は周りの目や相手の気持ちを考えて、自分で道を変えるようになっていました。

それもまた、病気と生きる中で経験してきた「できなかったこと」の一つなのかもしれません。

相手のことを考えて出した答えだったけれど、今振り返ると、その中にはもう一つ、「誰かに否定される前に、自分から諦めよう」という気持ちも、どこかにあったのかもしれません。そして、自分でも選ばないという選択肢を覚えていったのだと思います。